忍者ブログ
二次創作女性向小説置き場 主にマギ(シンジュ)青エク(志摩雪及び雪男受) 18歳未満の方の閲覧はご遠慮願います
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

押しかけ妻ジュダルちゃん 前編
押しかけ女房ジュダルちゃんかわいい~とついったで盛り上がってできたのがこれです
いろんな意味で平和なシンジュですがシン様がいつも通り最低´▽`



拍手[40回]


 外から戻ったら、なぜか花嫁姿で羽根バタキを持ったジュダルに出迎えられた。
「よォバカ殿ッ! 今日から俺がお前の嫁になってやるからな!」
「………………は?」
 しかも、その衣装や髪型が可哀想なくらいに合っていない。薄いヴェールも頭からかぶっているし、いつもの三つ編みはほどかれて上の方でアップにされているし、踊り子に近い露出の高さは変わらないが一応豪奢な刺繍の入った純白の衣装を着てはいる。だが、もともとぴょんぴょん跳ねている髪の毛を慣れない手で結いあげたせいか頭はところどころ乱れているし、他に化粧はほどこされていないのに唇だけ嫌に真っ赤に染まっていて、しかも紅を引く手がまるでふるえてしまったかのようにはみ出ている。明らかに本人がひとりで準備したのであろうその装いと、開口一番に突きつけられた言葉に、また何かよからぬことを思いついたのかとため息が漏れた。
「……はァ…」
 そして、大きな違和感がもう一つ。
 留守を預かっていたはずのジャーファルが、ジュダルに目くじらを立てることなく彼の振る舞いを容認しているところだった。
「……ジャーファル。これは、もしかしてお前公認なのか…?」
「ええ。ちゃんと誓約書も書いていただきました。ほら、」
 側に控えているジャーファルに胡乱な目で尋ねれば、目の前ににぴらっと一枚の紙がつき出された。
 そこに書いてあったのは、『ジュダルがシンドバッドの伴侶になる代わりに戦争をしない、暴れない、魔法を使わない』という驚くべき内容で。
「!?」
(これを、ジュダルが呑んだのか?)
 あまりに大きな交換条件に目が飛び出そうだったが、その驚きすら予想済みといったように、優秀な側近はチクリと刺す余裕すら見せて宣った。
「これで夜遊びも減るでしょうし、いいんじゃないですか、シン」
「なっいいだろ? バカと……えー、ア・ナ・タ♡」
「…………」
 完全に悪ノリのジュダルにもう一度大きな溜め息をついて、腕にくっついてくる青年を、それでも振り払う気は露ほどもなかったけれど。
 新たな騒動の予感に、くらっと意識が遠のいたのは確かだった。
 
 
 予想通りだ。
 痛む頭の原因は、もちろん押しかけるように嫁いで(?)きたジュダルのことで。
「炊事で壊した食器の数、飲食不能になった食材の数、掃除で壊した清掃用具の数、及び装飾品の数…そのほか被害総数が三日で百を超えましたね」
 よく監視の目を届かせているジャーファルでも追えないほど、気がついたら次から次へとジュダルの周りの何かが壊れているらしい。
 どうやら本人は張り切って何かをしようと動いているらしいのだが、ここまで面白いほど裏目に出てしまうと怒る気も失せてしまう。
 少しでも被害にストップをかけるため、話を聞く体勢はジュダルを小脇に抱えた珍妙な格好になっていた。
「はァ……ジュダル。お前、何しに来たんだ?」
 心の底から疑問に思って抱えたままのジュダルに問えば、想像通りと言えば想像通りの明快な答えが返ってきた。
「? 何って、ケッコンだろ?」
「…そういうことではなくて。結婚して、何がしたかったのか聞いているんだが」
 もともと公認とまでは言えないが、今までも夜を共に過ごすことはあった。それをわざわざ、ジュダルの最大の楽しみかとも思えていた争いや魔法使用を封じてまで結婚という形にこだわるとはどういうことなのか。
「別に、今までとそう変わらんだろう。お前は暴れる楽しみまで放棄して、なんでここに居座りたいんだ?」
 傍らの顔を覗きこもうとしたが、ジュダルは前を向いてしまって表情を伺うことができなくなった。
「…べ、別にいいだろっ! あ、ほら、さっき俺ちゃんとつくったんだぜ! アバレヤリイカのイカソーメンッ!」
 ジュダルがジャーファルと視線を交わしたのか、ジャーファルが何やら自然色をしていない未知の物体を皿に乗せて持ってきた。
 それを凝視しているうちに腕からぴょんと飛び降りたジュダルは、ジャーファルからその皿に受け取ると不器用に握った箸ででろりとしたその物体をこちらの口元に寄せてくる。
「ッ…おい、ジュダル…」
 その物体ははたして食べ物なのか。
 さっき耳にした料理名と実物がまったく結びついていないのはなぜなのか。
 お前は箸の持ち方を知らないのか。
 いろいろと言いたいことがありすぎて、ひくりと笑みが引きつるのがわかったが、鼻腔を掠めたその物体が放つ臭いにぷちっと頭の中の何かを抑えていた糸が切れた。
「はァ……」
 ジュダルの手からひょいっと皿と箸を取り上げ、その皿を片手にもうひとつの腕でジュダルを肩に乗せ、俵持ちする。
「!? ちょ、何すんだよバカ殿ォ…食えよバーカッ!」
「…とりあえず俺がつくってやるから、一緒に厨房まで来なさい。…あと、どうやってこんなモノができたのか、教えてもらおうか。ああ、箸の持ち方も教えてやらんとな。まったく、お前は……」
 くどくどと口からあふれる小言は止まらなかったが、自分でもなんだかんだいって甘いということはわかっていた。
 話をはぐらかされたのもわかっていたが、話したくないのなら話したくなったら話せばいいと思える余裕があった。
 時間は、たっぷりあるのだから。
 箸の持ち方も”食べ物”の作り方も、少しずつ教えていけばいいと、そう思っていた。
 
 
 


***


 
 
 
 今夜はどうやら飲みすぎてしまったらしい。
 心地よい酩酊にふわふわとした意識のまま寝室の扉を開ければ、すぐそこに仁王立ちしたジュダルがこちらを睨みつけていた。
(おや?)
 最近はそういえばこんな顔を見ていないな、と思ったものの、巡ったアルコールのおかげで理性は緩んでいて、そのきつめに吊り上げられた目は興奮を冷ますには逆効果だった。
「……テメェ…今何時だと思って…っぅわ…!!」
 ベッドの上に押し倒して、ぎゅっと眉根を寄せたジュダルの顔を見れば、緩くなった口からあまったるい言葉ばかりがだだ漏れる。
「んー? ジュダル……お前、かわいくなったな…」
 眉を顰めていたはずのジュダルは、その言葉を聞いた途端うろたえたような声を出した。
「はぁッ!? 何キモいこと言ってんだよバカ殿……お、おま、それより、ウワキしてねえだろーなっ!? っちょ、やめ、うぅッ…!」
(ウワキ?)
(かわいいことを言うな、こいつ)
 そんな思考を頭が掠めたけれど、朧げに覚えているのはそこまでで。
 そのあとは思う存分目の前の愛しい存在を感じとることに集中していくだけだった。
 
 
「ッおい、やめろって言ってんだろ! 話聞けっ…ひぅ…!」
 耳の後ろに鼻先を擦りつけるようにしながらシンドバッドがぺろりと舐めてきて、腰から尻にかけてを手のひらがまさぐってきて、怒っているはずなのにそちらの感覚に引っ張りこまれそうになる。ぞくぞくっと耳朶から背筋をこそばゆさが走り、酔いの熱を帯びた手のひらが肌の上をすべるごとに全身がぶるっとふるえた。
「ん~…、ジュダル……」
 熱のこもった声で名を呼ばれてはっと我に返り、なんの返答もないシンドバッドにやっと怒りが戻ってきて低い声で怒鳴る。
「っおい、聞いてんのかバカ殿ッ! 女のチチなんか揉んできたんじゃねーだろーなって聞いてんだよ俺は…っひ…!」
 そう告げたそばからシンドバッドは上衣を捲り上げ、露わになった乳首をちゅうっと吸い上げた。
「ぁ、ちがっ…吸え、なんて言ってな…っひ、ぁ、あッ…!」
 一気にぷつんと起ちあがったそこの感触を確かめるように舌で何度も転がされちゅうちゅうと吸われて、びくびくと上肢が跳ねる。ぶるぶるっとかぶりを振って違うと訴えれば、先の言葉を思い出したのか薄い胸の肉をもみこむようにシンドバッドの両の手のひらが妖しく動きはじめた。加えて親指の腹で尖った胸の飾りをじわじわと押しつぶすように撫で回してきて、胸が突きだすように反ったままぎゅっと硬直する。
「ひぁ、っう、ん、っや…! も、むなァ…っそこ、や、ッヒ…!!」
 じわっと生理的に浮かんだ涙をぺろりと舐めながら、シンドバッドの指はきゅっと突起を摘みあげてくる。びくっと腰までが浮き上がって、それを気づかせるように胸を弄っていた片方の手が足の間をぐるりと撫で回した。
「っは……!!」
 身体が反応しきっていることも、自分のとった卑猥な格好も気づかされて、頬から耳たぶまでがさあっと真っ赤に染まるのがわかる。泣きそうになってきゅっと目を眇めたのも束の間、シンドバッドの手がするすると下衣を取り去って、すぐに欲望がぱくりと頬張られた。
「えっあ、うそ、う、ああぁ…ッ!!」
 アルコールで熱を孕んだシンドバッドの口の中は熱くて、きゅうっと背が丸まって、じっとしていられなくて、思わずそこからシンドバッドを剥がそうと男の髪に指を差し入れて掴むのに、すぐに唇で幹が扱かれはじめてうまく手に力が入らない。
「っふ、あ、あ、うぅ…ッあ、やっだ…っひ、ん、ンッ…! あ、つ…っは、ぅうン…ッ!」
 どろっと腰が融けてしまいそうな錯覚と、その激しい熱が全身にぶわりと広がっていく感覚が何度も繰り返されて、どうしようもなく昂ぶっていくのがわかる。腰の奥が熱くて熱くて、苦しくてたまらなくなってきたところで、不意にシンドバッドの口が離れていった。
「っふ、…ぁ……?」
 思わず腰を揺らめかしてしまったことを意に介した様子もなく、シンドバッドはマイペースにこちらの膝裏を掴むと膝小僧がシーツにつくくらいまで腰を押し上げた。少し苦しくなった体勢に疑問と共に抗議の声をあげようとすれば、露わになった秘所がべろりと舐めあげられて喉から悲鳴が漏れる。
「ひっ…~~~!! っな、なに、どこ、なにして、ッッや、ひあ、あ…~~ッッ!」
 今更不利になった体勢で足をばたつかせようとしてもうまくシンドバッドの舌から逃れることはできなくて、絶頂が近かったせいではくはくと開閉を繰り返していたそこにぐちゅっとねじこまれる。中を直接ぞろりと舐めあげられる感覚にぶわっと鳥肌が広がって、過ぎた羞恥と刺激で全身のふるえが止まらなくなった。
「っあ、やだ、やだぁ…っはなせよォ…っあ、も、いいからぁ…っん、ンンッ…!!」
 こんなに恥ずかしいことをされるくらいなら普通に身体を繋げた方がマシだと理性の霞みそうな頭で考えなんとか訴えるが、その間も下肢からちゅぱちゅぱとわざとらしいくらいに卑猥な粘着音が聞こえてきていて、それが腰に響く快感と連動しているのがわかってひくっと喉が鳴る。泣きそうにくしゃりと顔を歪めれば、まるでタイミングを図ったかのようにそこから口を離したシンドバッドが嗚咽で引きつった唇にしゃぶりついてきた。
「ッッ~~~!!!」
(こいつ、こいつ、今俺の尻舐めた口で…!!)
 ぬるりともぐりこんだ舌が必死に逃げる舌に絡みつき、じゅっと吸い上げて、とろりと唾液を流しこみ掻き回してきて、口の中がじんじんと痺れていく。それでも噛みつくことすら頭にないまま舌をもごもごと逃げるように蠢かせていたが、抱え上げられた腰にぐっと灼熱が押しつけられてすぐにそれどころではなくなった。
「ッんん……――っ!!!」
 ずずっと奥まで貫かれる。衝撃に息を詰めていたせいでくらっと脳が揺れて、やっと唇の接合が外されて、必死で酸素を掻き集める。
「っは、はぁッ…はッ…っく…てめ……!」
 やっと脳に酸素が回ってきたせいで少し冷静さが戻ってきて、結局なし崩し的に身体を繋げている現実に、ぐつぐつと怒りが再燃するのがわかった。
「っおい…俺は、まだ聞いてないんだからな…! ンなに酔っぱらって、ウワキしてねェって言えるのかって聞いてんだよ…んむっ」
「んッ……は、ぁ…ジュダル、わるい、我慢できない」
 怒りの声を唇で遮ったシンドバッドの不穏な言葉に、嫌な予感が肌を撫でた。
「は…? っちょ、待て、そんな急に、ッッあ…!!」
 一気に最奥まで腰が突きこまれて、頭の芯まで貫かれたような衝撃に息が止まる。きゅうっとこわばり、興奮してざわざわとうねる中を、シンドバッドの硬い熱が容赦なく擦りあげはじめた。
「っひ、はあぁ…ッあ、やめ、っうっんッン、~~ッ!!」
 膝頭がしっかりとシーツに押しつけられて足を大きく開かされたことによって無防備になった身体の中を、入口から最奥まで剛直がこねて、突いて、摩擦する。ぐちゅっという水音が鼓膜ではなく腰に直接響いて、頭の中が羞恥で染まる。
(はずかしい、きもちいい、こわい)
 ふと揺らいで弱くなりかけた心にはっと気づき、ぎゅっと唇を噛んで痛みと怒りでごまかした。
(ちくしょう、むかつく、むかつく、むかつく…!!)
「ぅ…~~ッン、ひ…ッッ! …あ、やだ、あっあ、あ、っひ、うあ、あぁッ…!!」
 しかしせっかく掘り起こした怒りもモヤモヤも、無防備な体内を掻き回されれば快感とごちゃまぜになって身体を興奮させ、感情が突き抜けたせいでぼろぼろっと涙をあふれさせるはめになって。
「う、っひ、…っく、ッばか、シンの、クソバカぁ…~っう、~~ッッ!!」
 ぐっと腰が密着したおかげで結合が深くなり、逃げるように腰が浮き上がる。それを追うようにさらに奥まで捩じ込まれて、その体勢のせいでシンドバッドの腹が勃ちあがった陰茎を擦りあげた。
「っひ…!?」
 深く繋がった体勢のまま、がくがくと腰が揺さぶられる。同時に先走りの蜜をとろとろと零して限界を訴えていた欲望が何度も何度も擦られてしまっては、限界などあっけなく訪れた。
「ッッあ、アッあっあ、っく、ああぁ…ッ~~!!」
 どくりと熱が弾ける。
 頭の中まで直接手を突っ込まれてぐちゃりと撹拌されたように思考回路が熱くて、ただ身体がばらばらになってしまいそうな強い感覚を受け取らされるだけで精一杯だった。
「…っは、はぁ…はっ……」
「ん~……ジュダル…」
 それでも必死で呼吸を整えようとしていた耳に入ってきたのは、少し乱れただけの相変わらずな呑気な声で。
「ッッ!!」
 思わず握った拳で憎たらしい目の前の頭を横からがつんと殴れば、男はあっけなくシーツに沈み、寝息を立てはじめた。
「っ!? ……ぅ、うぅ~……ん、んん……」
「っは…はー…は…、」
(こいつ…マジゆるさねえ)
(全然話、聞いてねェし)
(ンだよ、)
(答えらンねぇようなこと、シてんのかよ)
 ジンジンと痛む拳を握ったまま未だ整わない呼吸が煩わしくて、傍らで撃沈する濃紫の髪をただ睨みつけていると、まだ涙腺が壊れていたのかぼろぼろっと涙が何粒かこぼれて落ちた。
「ッ……クソバカ……」
 ぽつりとこぼした声の響きがあまりにも情けなくて、このまま一緒に寝る気にはなれなくて、まだ重苦しい怠さを纏った身体を引きずるようにして寝室を出た。


 
 
 来賓室のソファーに身を埋めて眠るジュダルを見つけたジャーファルが二日酔いのシンドバッドの頭に雷を落とすまで、あと数時間。
 




PR
| prev | top | next |
| 29 | 28 | 27 | 26 | 25 | 23 | 13 | 24 | 20 | 19 | 18 |
カウンター
管理人
HN:
くろえだくろき
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
くさってます。Sじみた攻とちょっとばかでかわいそうな受がだいすきです。よろしくおねがいします。

生息中
参加&応援!
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新コメント
最新記事
バーコード
ブログ内検索
P R
忍者ブログ  [PR]
  /  Design by Lenny