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二次創作女性向小説置き場 主にマギ(シンジュ)青エク(志摩雪及び雪男受) 18歳未満の方の閲覧はご遠慮願います
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もういいかい、
夢遊病なジュダルちゃん





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 コツ、とあまりにも軽い足音がして、またか、と目を覚ます。
 大人にしては重さが足りないし、子供にしては静かすぎる。
 そんな足音を立てて、シンドバッドの寝室に現れるものなどひとりしかいない。
 ぽっかりと大きく空いた窓から注ぎ込む月光を背に受けて、彼は立っていた。
 、、、、、、
 いつもどおり、彼はおかしい。
 本来なら、忍びこむのが目的なら足音すら立てずに現れる。
 今にも倒れそうな足をなんとか崩さずに、なかなかこちらに進む一歩も出せないでいるなんて、あるはずのないことだ。――普段の彼だとしたら、の話だが。
「ジュダル?」
 その名を呼べば、ピクンと肩がわずかに跳ねた。
 寝具から降り、窓の下に佇むその男へと歩を進めれば、月明かりしか頼るもののない視界の中、やっと彼の表情を伺うことができた。
 ぼんやりとやわらかく照らされているのは、こちらを見ているのかいないのか、焦点の曖昧な瞳。
 小さく開けられた口から漏れる吐息は、苦しげな熱を含んでいた。
「……ッ、」
 ゆるりと頭を巡らせて、シンドバッドの気配を探ったのかこちらの胸にどっと倒れてくる。
「………」
 熱を孕んだ重い身体。
 こんな夜は、決まってそうだった。
 そうしていつでも、ついつい手を伸ばしてしまうのだ。
 口の中の熱さを確かめるように、頤を手のひらで包んで上向かせ、口蓋を重ねてぬるりと舌を絡める。
「ンッ……、」
 肌を辿る記憶など、翌朝にはこの男の頭の片隅にも残っていないのだろうけど。
「っは、…ん、ンッ……!」
 この身体だけがしっかりと覚えていてくれることは、既に知っていた。
 刻みこんだ夜の記憶を確かめるため、今日もシンドバッドはその肌に指を滑らせた。












「はっ…ひ、ッン…っゃ、…っあ、あッ……!」
 上肢の上半分を覆う小さな布の上から隆起した胸の粒を押し潰すように手のひらで撫で回せば、締まった腹はびくりと引きつったあとで腰をつきあげるようにいやらしくうねった。
「っう、ん、ンッ……!」
 うねる脇腹にそろりと反対の手を這わせれば、ぶるっと粗相をしたような振動が伝わってくる。その手から逃げるように腕を掴んでいやいやとかぶりを振って幼い反応を見せるジュダルに、知らずふっと笑みが浮かんだ。
 腰を撫でる手は止めず、胸に置いたままのそれもそのままに、覆い被さった身体がジュダルの首筋に犬歯をつきたてる。
「ひッ、」
 じわっと広がった痛みと熱に硬直する身体など気にも留めず、赤くなったそこをあまく噛んで悲鳴に似た嬌声を引き出していく。
「っぁ、ひぅ…っ…く、やだ、いッ…あ、アッ……!」
 腕を掴む手にぎゅっと力がこもって、汗ばんでいくのがわかる。拒絶の言葉を聞く度に筋の浮きあがった薄い皮膚に歯を立て、胸にあてがった手のひらで隆起したそこをぐりっと擦った。
 快感と痛みは背筋をぞくぞくと這う刺激に掻き混ぜられてひとつの熱になり、腰へ注がれていく。
「はっ…や、ン、んんッ…!」
 もがく足の間にぐっと腰を進めて、身体の熱さを確かめるように膝をぐっと押しつければびくびくっと過剰なくらいに腰が浮きあがった。
「――ッッ!!」
 くったりと力が抜けていく。
 ぜいぜいとせわしなく息を喘がせる細い身体をひっくり返して、尻の感触を味わうように手のひらを腰布の間に滑らせた。
「っは…、」
 ぐるりと撫で回すような動きをしながら、するすると下衣を押し下げる。ぴくぴくと小さく肌をふるわせる背をきつく吸い上げて濃い花の色を散らし、余韻を引き延ばしながら双丘の間にとろりと香油を垂らして中指をゆっくり埋め込んでいった。
「ん、ん…ッ……ッは、あ、アッ…!?」
 ずずっと押しこんだ指に、苦しげな、戸惑ったような声があがった。どうやらまだここへの刺激は慣れないらしく、ぐるりと手首を回せばきゅうっと怯えるように中が竦んで力がこもる。
「ひあっ…あ…、……ッッ!」
 ひくひくとうねる背の反応を見ながら、鉤状に曲げた指で中を弱く強く抉った。やわらかくほころんだところを見計らって一度引き抜き、今度は人差し指も一 緒に押しこむ。そのまますぐには動かさずに、指の付け根まで埋めたまま腰骨のあたりに唇を這わせ何度もきつく吸って、きゅうぅっと中を締めつける箇所を探 り、赤い跡がいくつも残るまで繰り返した。
「ひンッ…! や、ぁ、あっ…そこ、あっ…い、ッあ、」
 最初は唇から逃れようと腰をくねらせていたが、すぐにそんな余裕も剥ぎとられて、吸いあげられる度に力が抜けていくようで、すぐに膝を立てているのがやっとというように内股をふるわせるだけとなる。
「はっ…ぁ、あッ…し、ん……シン…っ…」
 譫言のようにまるで虚ろな、それでいて苦しさとあまったるさを滲ませた声で、こんなときだけ呼ばれる愛称。
 それが鼓膜に届けば腹の奥が怒りに似た感情で一気に熱くなって、背後から細い腰を貫いていた。
「ッは、アッ…~~~ッッ!!」
 四つん這いになったジュダルの両の二の腕を掴んでぐっと身体を起こせば、ぐりっと中を抉る角度が変わってより腰が密着する格好になる。そのまま腰を揺さぶれば、衝撃に反った喉からきれぎれに泣きそうな喘ぎがこぼれた。
「ッッあ、…ぁ、あッ…ひ、ん、ん、ンッ」
 二の腕を引かれた状態ではベッドから胸が浮く体勢しかとれないジュダルは、あふれ続ける唾液も嬌声もシーツに押しつけることすらできない。そればかりか 喉が強制的に反らされるのと接合部分が深いせいで、苦しげに表情が歪む。うまく言葉すら出ず、容赦なくがくがくと揺さぶられてどんどん腰に送り込まれてい く熱の出口がわからなくて、こわくて、ジュダルの瞳からはぼろぼろっと涙があふれた。
「っあぁ…や、やっ…シ、っあ、あ、あぁ…――ッッ!」
(シン、シン)
 縋るように何度も何度も口を開くのに、口から押し出されるのは、声になるのは意味もなさないものばかり。
 どこもかしこも自分の自由にならなくて、本当なら苛立ちが募るはずなのに、ジュダルの胸にあふれたのは深い深い哀しみと、恐怖ばかりで。
(シン、)
「…~~~ッッ!!!」
 それでも思考は何一つまとまらないまま、ひときわ中のやわらかい部分をぐぐっと抉られて一気に熱があふれる。
 じわりと中が濡らされる感覚にぶるっと腰がふるえて、きゅうっと内壁が吸いつくような動きを見せた。
「ッ…ぁ、…っは……、……っっひ、」
 二の腕を掴んでいた手がゆっくりとジュダルの上体をシーツの上に下ろす。体勢が緩やかなものになって息を吐くジュダルの腋の下にはすぐに腕が差し込まれて、羽交い締めの格好のまま力強い腕にぐっと引かれ上体を起こされる。ーーもちろん、繋がったままで。
「――っぁああ…!!」
 ズンと深い衝撃が襲って、ジュダルは思わず耐えるように背後の男の肩にガリッと爪を立てた。
 汗ばむ背にぴったりと張りついた男の胸板。
 ジンジンと重く、熱くなった下肢。
 脳天から腰までが熱い芯で貫かれたみたいに身動きがとれなくて、ただじっとしたままハッハッと浅い呼吸を繰り返す。
(くるしい、あつい)
(いわないと、)
(いわないと、また)
(また、もっと、くるしくなる)
「っは、…はぁっ…ゃ、まって、うご、か…――ッッやだあぁ…!!」
 息を整えるために繰り返していた呼吸を中断してまで訴えたのに、呼吸も整わず、深く深く雄を飲み込んだままの身体も馴染まないままにゆさゆさと身体が揺らされて、余裕のない悲鳴が迸る。
「っあ、あ、あ、~~~っっ!」
(くるしい、くるしい)
 くしゃりと顔が歪んで、ひっひっと情けない嗚咽が漏れはじめる。
 ひくひくといびつに引きつる喉を、大きな手のひらが凹凸をひとつひとつなぞるようにねっとり撫でていく。羞恥に赤く染まっていた耳の中を熱い舌がなぞり、耳の後ろにちゅ、ちゅっと吸いついた。
 まるで宥めるようなその手管に、ジュダルの眦からあふれる水分の量がぶわりと増える。ジュダルを泣きじゃくらせるまで追いやって、さらにはそれを長引かせる方法を、男はよく知っていた。
「ひっ…や、やっ…~~ッッ!!」
 ぐずぐずと鼻をすすりながら漏れる泣き言をよそに、下から突き上げる腰の動きは激しくなり、乱れてくしゃくしゃになった上衣をかいくぐった指がきゅっと 胸の実を詰む。その刺激できゅんと締まって狭くなった中を硬い切っ先がねっとりとこねていき、ぶるぶるっと熱をくわえこんだ腰が大きくふるえた。
「――ッッ!!! ぁ、あ、ッッ……あ…、」
 瞼の裏が、白く、白く染められていく。
 視界すべてが真っ白になったところで、ジュダルの身体と思考を動かしていた糸はふつりと切れた。






 ベッド隣の気配がもぞりと動いたことに気づいたが、いつものように寝息の演技をやめる気はなかった。
「………」
 ぐるりと視界を改めたのか、こちらに視線が突き刺さって止まったのがわかる。
 そのまま、硬直すること数秒。
「……~~~ッッ!!!」
 足音などひとつもなく、一瞬で飛ぶように気配が消えた。
 ――さて、いつその顔を拝もうか。
 普段の彼が乱れるその一瞬を目にするときを思えば、シンドバッドは知らず口元が緩むのを感じていた。







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