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二次創作女性向小説置き場 主にマギ(シンジュ)青エク(志摩雪及び雪男受) 18歳未満の方の閲覧はご遠慮願います
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やってみなけりゃわからない! 4
「やってみなけりゃわからない! 3」の続きです
やっとシンジュのターン!

拍手[23回]


***


 
 
 
「…………」
 酷い目に遭った。
 それはもう、二度と思い出したくないくらい最悪な気分だ。
(もう絶対、絶対あいつの部屋には行かねー)
「? ジュダル?」
 気がついたら、ジュダルはいつの間にか飛び出したはずの宮殿の寝所に戻っていた。
「どうした、今回はやけに帰ってくるのが早いな。もっと怒っていると思っていたが……、…?」
 あぐらをかいて絨毯の上に座ったまま、一言もしゃべらず低い位置をふわふわと停滞していたジュダルが、執務机についていたシンドバッドにすすと近づいてきてぴとりと肩を寄せてきて、いつもとまったく違うその行動にシンドバッドは面食らったような顔をした。
「………、」
 じわ、とあたたかくなった肩から伝わってくるものに目を閉じて、ジュダルは小さく息を吐いた。
(おちつく)
(なんでだ、)
(なんかわかんねーけど今、すっげーこうしてたい)
「…………疲れた。ちょっと、休ませろよ」
 消耗された喉からやっとのことで声を出したジュダルを待っていたのは、その首筋から、肌に残った色香から、そして絞り出されたその声から“何か”に気づいたシンドバッドの、空気をふるわせるような怒りで。
「――ッ!!??」
 不意にジュダルが乗っていた絨毯がぐいっと強く引かれ、大きくバランスを崩した身体が床の上に組み敷かれる。
「っい…ッてー…!! 何すんだバカ殿、俺は疲れてるつってんだろ! 乱暴にすんな!」
「――ジュダル」
「ッ、」
 低い位置からとはいえ床に叩きつけられた痛みに衝動的に沸いた怒りは、静かな重みをもった声に遮られた。
 掴まれた両肩から伝わってくるのは、もう先程までの安堵を与えるそれではなくなっていた。
「…お前がここに来たこと、――後悔させてやろうか」
 いびつに歪んだ男の笑みを目にして、ジュダルは逃げ場を目の前で失ってしまったような衝撃に全身がこわばるのを感じていた。


「――ッ!!」
 強く掴まれた肩をぐるっと反転させられて、俯せになったジュダルの頭が冷たい床の上に押しつけられる。頬に伝わるひやりとした温度とその硬さに、カッと目の前が灼けるような感覚がジュダルを襲った。とらされたその体勢に身をこわばらせる間もなく、頭を押さえつけているのとは別の手が腰をぐっと引き上げるように掬い、その指が下衣をかいくぐって双丘の狭間に性急に指を捩じこんできて、ジュダルの背がきゅうと撓る。
「ッッ~~~!!!」
 情交の余韻を残したそこはわずかに熱を帯びて腫れぼったくなっており、中で少し指を動かされただけでびりびりっと全身が痺れるような強い刺激を感じとって身体が跳ねる。びくびくと腰が引きつるたびに怒ったような乱暴な指がぐりっと中を抉って、全身の毛穴がぞっと開くような過ぎる快感への恐怖に、ジュダルは何度もこみあげる悲鳴を喉に詰まらせた。
「っひ、~~ッッ、ぅ、うぅ…――ッッ!」
(なんで、)
(なんでこんな怒ってんの、こいつ)
(わかんない)
(こわい)
「…ッッ……、っ…!」
 無防備な体内に直接触れた指からまざまざと伝わってくる怒りに、心臓をまるごと掴まれているような畏れを感じて身体の芯からぶるっとふるえが起こる。いくら全身に力をこめて襲いくる強い感覚を堪えようとしても、容赦ないほどの力強さで内側から解きほぐされて、与えられる刺激をそっくりそのまま受けとらされる。確かに身体は怯えてふるえているのに、性急に詰めこまれ続ける快感のせいで肌はどうしようもないくらいに熱くて、ジュダルの性器は熱く張り詰め蜜をこぼしはじめていた。
「っひ、あ、あ、ッッ…っく、…ンン…~~ッ…!!」
 ジュダルの身体の反応ひとつひとつを確かめるように体内を探り続ける、ただそれだけの行為のはずなのに、ジュダルの胸の内に広がっていくのは先程までとは段違いの混乱と畏れだった。
「……ッッ、」
(なんで、)
(さっき、こんなのよりずっとひどい目にあったはずだっていうのに)
(こっちのほうがよっぽど、クる)
「うっあっあ、ンん…っひ、ぅんん…~~ッッ!」
 追いあげられて追いあげられてきゅうっと腰がこわばって精を放っても解放される気配はなくて、むしろ遂情を長引かせるように弱点を指の腹でぐりぐりと抉られて、出すものを出しきったあとも蜜口が精液を送り出すようにはくはくと開閉を繰り返して、このまま開きっぱなしになってしまったらどうしようという焦燥に襲われるほど執拗に責められる。
「~~っあ、ぁ、あッ…っや、ぅうン…~~ッヒ、や、そっ…それやだ、やっ…ンン…~~っ!!」
 息苦しいのは、射精感を長引かせられているせいだけではなかった。
(なんで、)
(なんでこんなにくるしいんだ)
(なんで、こんなに――かなしいんだ)
 腹の底からせりあがってくる感情の名に気づいてしまったらじわりと目の淵が熱く潤んだような気がして、ジュダルは強くかぶりをふって頭の中にあったものをふるい落とした。
「っうあ、あ、ッッ…!! ひ、んく、ンッン、んん…――っ!」
 しかし一瞬すべてを頭の外に追いやったところで、知らないうちに次の仮定はどこからともなくぷかりと浮上してきて。
(たとえば、)
(たとえば、さっきと同じようなことをこいつにされたら)
(身体の奥底までさらわれて、嘲笑われたら)
(俺はもっと、ずっとひどい痛みを味わうんじゃないか?)
 閉じた瞼の裏に浮かんだのは、絶望的な解放感を味わわされたときの紅炎の身体が、シンドバッドのものにすり替わった光景で。
「――――、」
 ゾッと心臓の内側を撫でられるような恐怖が、四つん這いの格好になっていたジュダルを逃げるように前に進ませた。
(やだ、)
(やだ、やだ)
(こわい)
 頭を押さえつける手を振り切るように床に爪を立て、本格的に逃げ出そうとしたジュダルが前に伸ばした手は、こわい顔をしたシンドバッドの手にやすやすと掴まれて後ろ手に捻りあげられた。
「いッ…――!!」
 少し手荒にされたせいで思わず背を反らして硬直しているうちに、もう片方の手も捻られて背後でぎゅっと固定される確かな感触があって、体内の血がすとんと下がるのがわかった。
「!? ッッ……や、だ」
 声を出したことを後悔するような、情けなく萎んだ声が喉から漏れる。
 もう、声は出せない。
 身体の内側からわきおこる大げさなふるえはもう止まらないと、わかってしまったから。
 そんな声をシンドバッドに聞かせるなんて、死んでもごめんだったから。
 しかしそのふるえを少しでも隠そうとするジュダルを許さないとでもいうように、シンドバッドの手はジュダルの身体を仰向けにひっくり返し、節ばった手のひらを怯える肌の上にすべらせていく。
「ッ…、……っ…、」
 かちかちと浮きそうになる歯をぎゅっと食いしばって、すべてを拒むように全身に力をこめても、出どころのわからない畏れはどこからかジュダルの肌にしみこんでほんのわずか、シンドバッドの指に振動を伝わらせた。
「――そんなに、こわいか?」
 いくら強く目を瞑っても、身体は思い出してしまう。
 さっき自分の身にあったことを。
 目の前の男以外にされたことを。
(アレを、こいつにされたら)
 考えたくないのに、考えてしまう。
(突っこまれて、揺さぶられて、何もかも暴かれて、暴かれたところに思いきり傷を、つけられて)
「――ッッ、」
 想像するだけで、肌が粟立つ。
(そうだ)
(あいつらにいくら同じことをされたって、傷なんてつかないのに)
(こいつは、こいつだけは、)
(こわい)
 頭の中に映し出され続ける『もし』は、止まらない。
 暴かれたら、罵られたら、嘲笑われたら。
 こわくてこわくて、どうにかなってしまいそうなはずなのに。
「――なんだ、勃ってるじゃないか」
「ッ!?」
 シンドバッドの手は、ただずっとジュダルの肌をなぞっていただけだった。それなのに、こわばったままの身体の中心は、いつの間にか痛いくらいに張り詰めていて。
「…ぁ…っ…?」
「…こわいのが、すきなのか?」
 からかうように口端を上げただけの笑みを向けられて、瞬間的に恐怖を押しのけカッと怒りが爆発した。
「ッんなわけあるか…!! ――ッッひぅ、アッやめ、んン…ッッ!」
 しかし、腹の底から押し出した怒声は膝を抱えあげられ再び尻孔に捩じこまれた指によって泣きそうな嬌声に変わってしまう。ずるっと奥まで潜りこんだ男の指が陰嚢の裏側から押しあげるように中で曲げられて、ジュダルの腰は前につきだされるような格好になり勃ちあがった性器がシンドバッドの眼前にさらされた。
「っひ、~~~ッッ!!」
 中でくいくいと指を動かされるたびにひくんと腰が主張するように跳ねて、そこにじっと注がれる視線に気づいてしまえばカァッと視界が灼けついた。
(ちがう、こわい、はずなのに、なんで)
「あ、やだ、あ、ア、ひぅン…ッ…!!」
 まるでおもちゃのように、指先の動きだけで簡単に反応する身体を思い知らされて、それを目の前の男につぶさに知られているのだと思えばぎゅうっと胸のあたりが押しつぶされそうに苦しくなって、目の際からぼろりと涙がこぼれる。
(なんで、なんで)
(もうやだ)
「……何をされた?」
 それでも、感情の起伏を思わせない静かな声に問われれば、泣きそうに歪んだ唇をぐっと閉じるしかなかった。
(こいつには、絶対言わない)
(言いたくない)
(だって、言って何になる?)
(自分から弱点見せて、こいつが何をしてくれると思ってるんだ、俺は? それは災難だったなって頭を撫でてくれるような奴じゃない、俺もそんなの望んでない、だからただ、こいつがいる場所に戻ってこれただけで十分だったのに)
(ほっといてくれたら、そのうち元に戻れたのに、なんで)
(なんでそんなこと今聞くんだよ、)
「……ッ…、」
 ぐっと口を噤んだまままっすぐシンドバッドを睨みあげたジュダルを見て、男の視線が温度を下げた。
「――そんなに咥えこんでいたいなら、これでも咥えてろ」
「っは、あ…!? うぅッ…あ、はっ…!?」
 引き抜かれた指の代わりに、ひやりとした硬さをもった異物がぐぬりと秘孔に押しこまれる。陶器のような感触のそれはある程度まで飲みこまされたところで根元が太く広がっていて、しっかりとその位置で固定されるようになっていた。
「ッッ~~~!!」
 抱えあげられていた膝がおろされ、上体が起こされる。床の上に座りこむような格好にされて、挿入された異物がぐりっと押しこまれる感覚に、ジュダルは思わず両手を戒められたままの不安定な体勢で膝をついた。足は既にうまく力が入らなくて心許なかったが、腰をおろしてしまえば深く異物を飲みこむことになってしまう。膝立ちの格好のまま、ジュダルはすっと立ち上がったシンドバッドを睨みあげたけれど、本当は気力も体力も限界だった。
 逃げられないし、与えられない。
 その上、望まないものにひらかされたままの身体で、目の前の憎たらしい男を睨みつけるほかに、いったい何ができるというのだろう。
(今までこんなこと、なかったのに)
(こんなに身体ががちがちにこわばって、気持ちいいはずなのに、それに身を任せたくないなんて、自分でも意味がわかんないのに)
(なんで、こいつの前でだけ、こんなにわかんないことばっかり)
(やめときゃよかった)
(むしゃくしゃしてあいつらとヤらなけりゃこんなこと、)
(こんなことにならなかったはずなのに)
 体内に埋めこまれた無機物は体温と馴染んで、媚肉が刺激をほしがるようにきゅうきゅうと咀嚼しはじめる。
「…ッッ……、」
 じわじわと噴き出る汗でこめかみにはりついた髪を、ごつごつとした男の指が驚くほど優しく梳いてきて、ジュダルをどうしようもなく苛立たせた。
「ッッ…抱く気ねェなら、どっか行けよ」
 いつもなら、自分と同等の熱が、男にも伝わっているはずなのに。
 そう思えばきりきりと眦がつりあがって、男を睨む視線が鋭くなっていく。
(同じ熱さを分けられるのがヨかったのに)
(なんで俺だけが、こんなに)
 少しずつあがっていく自分の呼吸さえ腹立たしくて、ジュダルは自分がダメージを受けるとわかっていながらも睨みあげた先の静かな目から視線を外さなかった。



 
 
 
「………、」
 性具を咥えこまされて、汗で濡れたジュダルの髪を丁重に梳きあげる。
(例えば)
(本当は、こうやって触れるだけで、十分救われるのに)
 指先ひとつ触れ合わせるだけで満たされる場所が、確かにシンドバッドの中にはあるのだ。
(でも、こいつはわかってない)
(俺がこいつを抱く、その意味を)
 本当は、ジュダルを抱きたくなどないのだ。
 何もわかっていないジュダルを抱いても、後に残るのは悔しさばかりだったから。
 ジュダルにそれを教える術を、シンドバッドはなかなか見つけられずにいた。そのうちにふらふらと飛んでいってしまいそうになるジュダルをとにかく行かせたくなくて、その場限り引き留める効力しかないとわかっていても、気がついたら手は伸びていて。
(でも、それももうおしまいだ)
 まざまざと他人の色を濃く残す肉体を、こうして感じてしまったのだから。
(もっと早く、こうしていればよかった)
「……ジュダル、」
 きつく睨めつけてくるジュダルの瞳の奥に何が隠れていても、もうどこに行かせる気もなかった。
 執着ばかりが強くなって、もう戻れない。
(お前は俺のものだよ、ジュダル)
 告げることはない。
 手順を飛ばしてしまったとはいえ、教えることを諦めたわけではないのだ。
 シンドバッドがそれを口にするのは、ジュダルにきちんと教えられたそのときだと決めていた。
 尖った視線を受けとめて、シンドバッドはもう一度ジュダルのこめかみを指の腹でゆっくりと撫でた。





END?


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
あとがき

シンジュっていうかシン→→→→→←←←←←ジュでした´^ω^`
心の機微になかなか名前をつけられないジュダルちゃんと、ジュダルちゃんの心をたいせつにしたくて後手に回っていたシンドバッドにがつんと発破をかけたのが炎夏ちゃん(二人とももちろん無自覚)っていう…誰得…´^ω^`
炎ジュ夏かけたので満足です!最初から最後まで誰得!おそまつさまでした~



※追記あり・END?から続きに飛びます



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